『「ひとり起業家」の高額商品の作り方・売り方』で伝えたかったこと

『「ひとり起業家」の高額商品の作り方・売り方』で伝えたかったこと

/ 安田修

フラスコ代表、安田です。

最新刊『「ひとり起業家」の高額商品の作り方・売り方』について、ありがたいことにたくさん感想をいただきました。中でも多いのが「価格の付け方の本だと思って読み始めたら、商品作りの本だった」という声です。これは狙い通りで、本書は価格を上げるテクニックの本ではなく、価格を上げられる商品を作るための本なんです。

今日は、この本に何を書いたのか、そしてどんな気持ちで書いたのかを、あらためてまとめておきます。

1.書いた理由は、悔しさ

本の冒頭に、AさんとBさんという2人の起業家に登場してもらいました。スキルも経験も同じくらい、多くの人を救いたいという気持ちも同じ。違ったのは、Aさんができるだけ価格を抑えて多くの人の役に立とうとしたのに対して、Bさんは毎年のように値上げをして高額の商品を作ったこと。それだけです。

数年後、Aさんは忙しい割に売上が伸びず、良いときで月30万円ほど。家族を養うには足りず、やがて会社員に戻っていきました。Bさんは早い段階で月100万円を超え、スキルの習得やシステムにも投資できるようになりました。

AさんとBさんは特定の誰かではありませんが、書きながら何人もの顔が浮かんでいました。「高額化なんてしたら、必要な人に届かなくなる」「まだ経験不足だし、嫌われてしまうかもしれない」。そう言いながら価格を上げられないまま、静かに退場していった方たちです。この壁をひとつ越えるだけで自由になれたはずなのに、と僕はいつも悔しい思いをしています。それがこの本を書いた理由です。

2.高額化は正義だ

だから本書は「高額化は正義だ」という一文から始まります。

価格が低いと、たくさん売らないと生活できません。集客だけで疲れ果てて、提供するサービスの質まで下がります。受け取る側から見ても、無料や低価格のサービスでは本気になれず、行動もしません。逆に、ある程度の金額を支払った人は真剣です。真剣だから行動して、成果が出る。成果が出るから評判が伝わって、次のお客様が来てくれます。

「価格が低いのは良いことだ」というのは、ほとんど思い込みだと思っています。起業コンサルタントを10年やってきて、ここは言い切れます。ちなみに僕自身のサービスは、月3千円のオンラインサロンから、1年間の個別サポートが198〜264万円まで幅があります。10年前の僕がこの表を見たら「高いな」と思ったはずで、その感覚こそが本書で扱っている問題そのものです。

3.価値は「人生がどれだけ変わったか」で決まる

とはいえ、ただ数字を大きくすれば良いという話ではありません。ここを支えるのが第2章です。

商品の価値は、あなたのサービスによってお客様の人生が向上した幅で決まります。理想と現状のギャップをどれだけ埋められたか。その幅が大きければ価値は高く、小さければ安い。原価でも競合でもなく、ここから価格を考えましょう、というのが本書の一貫した主張です。

だから出発点は「自分に何ができるか」ではありません。ペルソナが夜も眠れないほど悩んでいる重要な課題を先に選んで、その中で自分にできることを探す。順番が逆になっている人が本当に多いんです。僕自身、腰痛を確実に治してくれる人がいたら10万円でも20万円でも払います。腰が楽になれば仕事の量が変わるので、それでも元は取れてしまう。価値とはそういうことです。

4.売り方は、テクニックではない

第3章は売り方です。ここで一番伝えたかったのは、高額商品ほど小手先のテクニックより信頼と自信が効くということでした。

僕は以前、個別相談で着席から5秒で150万円の商品が売れたことがあります。まだ商品の説明もしていないのに「買います。内容はともかく、安田さんに教わりたい」と言われました。ありがたさと同時に、これがセールスの正体だなと感じた出来事です。

うまくいっているセールスは、傍から見ると雑談にしか見えません。説得や議論が始まっている時点で、たいていうまくいっていない。買いたい人が、気になる点を最終確認するために現れる。そこまでの流れを情報発信やセミナーで整えておけば、最後の場面で無理をする必要がなくなります。まず何をすればいいかというと、体験セッションやモニターです。ここから始めれば、実績がなくても今日動けます。

ぶっちゃけ、この本は「高額商品の作り方」だけに絞っておいた方が読後感はよく、売れたかもしれないと思っています。売り方は、現実に引き戻される感覚があるでしょう。しかし僕のこだわりとして、ここを直視しないと誰も自由にはなれないので、外すわけにはいかなかったのです。

5.最後に立ちはだかるのはメンタルブロック

そして第5章の終盤に、いちばん書きたかったことを置きました。

高額商品を作るときにネックになるのは、実績でも経験でも実力でもなく、メンタルブロックです。僕はサラリーマン時代に数百億円の融資を担当していましたが、起業して初めて30万円の商品を売ったときは普通に震えました。自分のうしろには誰もいない、全部自分の責任だ、この金額に見合う価値が本当に自分にあるのか。

これは頭で理解しても消えません。消えていくのは、小さくお金を受け取って喜んでもらう体験を積み重ねたときだけです。僕自身も30分3千円から始めて、改定のたびに「もう誰も依頼してくれないかもしれない」と震えながらここまで来ました。

全部書いたので、あとは試すだけ

僕は「本ではここまで、続きは高額講座で」みたいな器用なことができないので、知っていることは出し惜しみせず全部書いてしまいました。この1冊だけで商品を作って成果を出す人も、きっと出てくると思います。

とはいえ、読んだだけでは商品はできあがりませんし、まして売れません。手を動かす時間が要ります。そこで8月18日から20日の3日間、本の内容を実際に形にする無料の企画をやります。高額商品の設計書を描く3日間です。本を読んだ方も、まだの方も歓迎します。

まずは、あなたのペルソナ(理想の顧客像)が夜も眠れないほど悩んでいることを1つ、紙に書き出してみてください。そこが出発点です。